たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
惟のその提案に、亜紀はなかなか返事をすることができない。しかし、彼女の横にいる由紀子は、さっさとそれを受け入れている。その理由の大半が、惟がイケメンだということからだろう。
間違いなく、彼女は今の状況を楽しんでいる。そんな思いが亜紀の中にはある。そして、それを証明するように、由紀子が亜紀の耳元で「連れて行ってもらおうよ」と囁きかける。
こうなったら、抵抗するだけ無駄だ。そんなことを思った亜紀はガクリと肩を落とすと、「お願いします」と返すことしかできない。そんな二人の姿にフッと笑みを浮かべた惟は「ちょっと歩くよ」と告げると亜紀の手を取るようにして歩きはじめる。
今の彼に逆らうだけ無駄だ。二人ともそんなことを感じたのだろう。抵抗するのを諦めたように大人しく連れていかれている。そうやって案内された場所は、白綾から少し離れた場所にあるこじんまりとした店。『ラ・メール』という店名が、洒落た看板に掲げられている。その扉を開けた惟は、当然のように亜紀を引き寄せると、店内に足を踏み入れていた。
「亜紀ちゃん、どう? ここなら、ゆっくり話せそうでしょう?」
耳元で惟がそう囁きかけるのに、亜紀は首筋まで赤くしてしまっている。昨日も思ったが、彼の過剰ともいえるスキンシップは心臓に悪い。
このような態度を取ってくるのに、昨日は契約として付き合おうとか言ってきたのだ。それならば、こんなにベタベタする必要はないではないか。そう叫びたいのが亜紀の本心。
しかし、相手は年上からくる余裕だろうか。彼女が反論する隙を与えるつもりはないようだった。
「亜紀ちゃん、どう? それとも、ここだと気に入らない?」
「そんなこと、ないです。雰囲気も素敵だし、ここならゆっくりできると思う」
間違いなく、彼女は今の状況を楽しんでいる。そんな思いが亜紀の中にはある。そして、それを証明するように、由紀子が亜紀の耳元で「連れて行ってもらおうよ」と囁きかける。
こうなったら、抵抗するだけ無駄だ。そんなことを思った亜紀はガクリと肩を落とすと、「お願いします」と返すことしかできない。そんな二人の姿にフッと笑みを浮かべた惟は「ちょっと歩くよ」と告げると亜紀の手を取るようにして歩きはじめる。
今の彼に逆らうだけ無駄だ。二人ともそんなことを感じたのだろう。抵抗するのを諦めたように大人しく連れていかれている。そうやって案内された場所は、白綾から少し離れた場所にあるこじんまりとした店。『ラ・メール』という店名が、洒落た看板に掲げられている。その扉を開けた惟は、当然のように亜紀を引き寄せると、店内に足を踏み入れていた。
「亜紀ちゃん、どう? ここなら、ゆっくり話せそうでしょう?」
耳元で惟がそう囁きかけるのに、亜紀は首筋まで赤くしてしまっている。昨日も思ったが、彼の過剰ともいえるスキンシップは心臓に悪い。
このような態度を取ってくるのに、昨日は契約として付き合おうとか言ってきたのだ。それならば、こんなにベタベタする必要はないではないか。そう叫びたいのが亜紀の本心。
しかし、相手は年上からくる余裕だろうか。彼女が反論する隙を与えるつもりはないようだった。
「亜紀ちゃん、どう? それとも、ここだと気に入らない?」
「そんなこと、ないです。雰囲気も素敵だし、ここならゆっくりできると思う」