たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「亜紀ちゃん、話は終わったの?」


「あ……は、はい……」



あの状況で終わったと言えるのだろうか。そんな疑問が亜紀の中には生まれている。しかし、ここで反論すると説明がややこしい。そう思った彼女は曖昧に頷くことしかできない。そんな彼女に、惟は穏やかに微笑みかけている。



「じゃあ、今度は僕に付き合ってくれる? 亜紀ちゃんとゆっくり話ししたいって思ってるし」


「あ、あの……だったら、惟さんのこと教えてもらってもいいですか?」



本当ならば、このようなことは口にしたくない。しかし、彼女の横にいる由紀子からの半端ないオーラが感じられる。きっと、このことを訊ねなければ、後から非難のメールが山のように届く。

そう思った亜紀は、顔を真っ赤にしながら言葉を口にすることしかできない。そんな彼女からの問いかけに、惟は驚いたような声を上げていた。



「亜紀ちゃんからそんなこと聞かれるとは思ってもいなかった。ちょっとは僕に興味持ってくれたって思ってもいいのかな?」


「ど、どうなんでしょう……」



惟の声に、亜紀は引きつった表情で応えを返す。その時、由紀子が彼に投げかけた声に、亜紀はますます顔が強張っていくのを感じていた。



「あの、私からもお願いしてもいいですか? 亜紀から、いろいろ話は聞かせてもらいましたし。大事な幼なじみにそういう人がいるっていうなら、いろいろと知っておきたいって思うの当然でしょう? それと、できれば連絡先、教えて欲しいかなって」

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