たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
そう言いながら、亜紀は差し出された紅茶を口にする。たしかに『着替えるまでは入ってくるな』と言っている。しかし、こうやって用意される紅茶を飲むのが楽しみになりつつある。
そのことに、どこか矛盾した思いを抱いている亜紀。とはいえ、これが美味なことは間違いない。先ほどまで怒っていたことも忘れたように、彼女は「美味しい」と呟いていた。それを耳にした雅弥の顔がほころんでいる。
「お嬢様のお気に召されたようでよかったです。それでは、そろそろご準備をなさいませんと」
「もう、そんな時間? ありがとう。じゃあ、部屋から出て行ってちょうだい。遅れないようにちゃんと着替えるから」
「いつも申しておりますが、私の仕事はお嬢様のお世話です。それなのに、そうやって拒否されると困ってしまうのですが」
「竹原さん、このことは私も譲れないの。いくらなんでも男の人の前で着替えるなんてこと、できないじゃない。わかったら、早く出て行って。時間がなくなっちゃう」
何があってもこれだけは拒絶しないといけない。そんな思いのある亜紀の言葉はどこかキツイものになっている。そんな彼女の姿に、雅弥はため息を一つつくと「かしこまりました」と応えることしかできない。そのまま、彼女の飲んだカップを片付けながら、彼は思い出したように口を開いている。
「それはそうと、お嬢様。本日の放課後はお約束をなさいませんように」
普段ならそのようなことを雅弥が口にすることはない。それなのに言われた言葉に、亜紀は「どうして?」と首を傾げるだけ。そんな彼女に穏やかな声が返ってくる。
そのことに、どこか矛盾した思いを抱いている亜紀。とはいえ、これが美味なことは間違いない。先ほどまで怒っていたことも忘れたように、彼女は「美味しい」と呟いていた。それを耳にした雅弥の顔がほころんでいる。
「お嬢様のお気に召されたようでよかったです。それでは、そろそろご準備をなさいませんと」
「もう、そんな時間? ありがとう。じゃあ、部屋から出て行ってちょうだい。遅れないようにちゃんと着替えるから」
「いつも申しておりますが、私の仕事はお嬢様のお世話です。それなのに、そうやって拒否されると困ってしまうのですが」
「竹原さん、このことは私も譲れないの。いくらなんでも男の人の前で着替えるなんてこと、できないじゃない。わかったら、早く出て行って。時間がなくなっちゃう」
何があってもこれだけは拒絶しないといけない。そんな思いのある亜紀の言葉はどこかキツイものになっている。そんな彼女の姿に、雅弥はため息を一つつくと「かしこまりました」と応えることしかできない。そのまま、彼女の飲んだカップを片付けながら、彼は思い出したように口を開いている。
「それはそうと、お嬢様。本日の放課後はお約束をなさいませんように」
普段ならそのようなことを雅弥が口にすることはない。それなのに言われた言葉に、亜紀は「どうして?」と首を傾げるだけ。そんな彼女に穏やかな声が返ってくる。