たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「惟様。突然、どうなさったのですか?」
「何か不都合でもございましたの? でしたら、今すぐにマネージャーを呼んで参りますわ」
「立たせたままだなんて失礼なことを。今すぐ、お席とお茶をご用意いたしますわ。それまで、店内をごゆっくりご覧ください」
静かな雰囲気だった店内が一気に騒がしくなってくる。何人かいたはずの客も騒ぎ立てる店員の姿を呆れたような顔でみつめている。もっとも、その時、惟の姿に気がついたのだろう。彼らの顔も間違いなく真っ赤になっている。
そんなことをボンヤリと考えていた亜紀は、惟に群がるように寄ってくる店員に弾き飛ばされていた。このことに、惟の顔色が一気に険しくなっていく。
「ずい分と行儀の悪い面々を揃えたものだね。南原(ナンバラ)は何してるの?」
その声は、それまで亜紀や由紀子に向けていたものとはまるで違う。そのことに気がついた亜紀はマジマジと惟の顔をみつめている。その時、店の奥から慌ただしく出てきた女性。ファエロアのデザインを着こなしたその相手に向けて、惟はますます冷たい声をかけていく。
「南原、君のことを見損なっていたのかな? きちんと教育できていると思っていたんだけどね」
「誠に申し訳ございません。ただいま、奥にご案内いたします。もう少々、お待ちいただけますでしょうか」
「そんなことする必要ないよ。それより、アンジーいるでしょう? 会えるよね」
「は、はい……アンジー様は工房にいらっしゃいます。こちらにお呼びいたしましょうか? あちらはただ今、取り込んでおりまして……」
「何か不都合でもございましたの? でしたら、今すぐにマネージャーを呼んで参りますわ」
「立たせたままだなんて失礼なことを。今すぐ、お席とお茶をご用意いたしますわ。それまで、店内をごゆっくりご覧ください」
静かな雰囲気だった店内が一気に騒がしくなってくる。何人かいたはずの客も騒ぎ立てる店員の姿を呆れたような顔でみつめている。もっとも、その時、惟の姿に気がついたのだろう。彼らの顔も間違いなく真っ赤になっている。
そんなことをボンヤリと考えていた亜紀は、惟に群がるように寄ってくる店員に弾き飛ばされていた。このことに、惟の顔色が一気に険しくなっていく。
「ずい分と行儀の悪い面々を揃えたものだね。南原(ナンバラ)は何してるの?」
その声は、それまで亜紀や由紀子に向けていたものとはまるで違う。そのことに気がついた亜紀はマジマジと惟の顔をみつめている。その時、店の奥から慌ただしく出てきた女性。ファエロアのデザインを着こなしたその相手に向けて、惟はますます冷たい声をかけていく。
「南原、君のことを見損なっていたのかな? きちんと教育できていると思っていたんだけどね」
「誠に申し訳ございません。ただいま、奥にご案内いたします。もう少々、お待ちいただけますでしょうか」
「そんなことする必要ないよ。それより、アンジーいるでしょう? 会えるよね」
「は、はい……アンジー様は工房にいらっしゃいます。こちらにお呼びいたしましょうか? あちらはただ今、取り込んでおりまして……」