たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「うん、わすれない。だから、ぜったいにむかえにきてね。やくそく」


「約束するよ。だから、あーちゃんは僕のこと忘れないで。絶対に迎えに行くから」


「うん、まってる。ぜったいに、わすれずにまってるから」



そう言うと亜紀は相手の顔をじっとみつめている。そんな彼女の体がもう一度ギュッと抱きしめられる。次の瞬間、その体が解放されたかと思うと、優しいまなざしが亜紀の顔をじっとみつめていた。



「約束するよ。絶対にあーちゃんのこと、迎えに行く。だから、それまでは寂しいだろうけど我慢していて。でも、その時がきたら飛んでいく。そして、二度とあーちゃんを一人にしないから」



その声に亜紀はスッと小指を差し出している。彼女のその姿に相手はニッコリと笑いながら自分の小指を絡めてきていた。



「ゆびきり。ぜったいに、むかえにきてくれるってやくそく。わたしもわすれない。ちゃんといいこにしてまってる。だから、ぜったいにむかえにきて」



その声に大きく頷く相手はしっかりと指切りをする。そして、お約束ともいえる『指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲~ます』という言葉。それを耳にした時、ようやく亜紀の顔から涙が消えようとしている。そのまま、相手の胸に頭をうずめた彼女は、このことを脳裏に刻み込むかのようにじっとしているだけだった……


そして、翌朝――


亜紀はどこか複雑な表情で目を覚ましていた。その理由が昨夜の夢であることは間違いない。今まで、どうしてこんな大事なことを忘れていたのだろう。そんな思いが彼女の中にはある。

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