たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
あの時、彼女のことを『あーちゃん』と呼んだ相手。この相手のことはどういうわけか思い出すことができない。それでも、なぜか分からないが惟と会った後には間違いなくこの夢をみている。
そして、今までとは違っていた夢の内容。だが、そのことが実際にあったのだということを彼女は否定しようとはしない。
夢の中で呼ばれていた『あーちゃん』という声。昨日、アンジーが彼女のことをそう呼んだ時、激しく反発したのは、きっとこのことを体の奥が覚えていたからだ。
約束したことを忘れていたのも同じだが、それでもあの時の相手以外に『あーちゃん』とは呼ばれたくない。そんなことを無意識のうちに思っていたのだろう。だからこその反発。だとしたら、と亜紀はふと思い出すことがある。
昨日、惟に送られた車の中で彼が口にした言葉。その中で『あーちゃん』という響きを耳にしたのではなかったか。たしかに、あの時の彼は『なんでもないよ』と言っていた。だが、かすかに届いた響きは間違いなく彼女を呼ぶ声だったはず。
だとしたら、なぜそれには反発しなかったのだろう。そんな思いが彼女の中で大きくなっていく。しかし、考えれば考えるほど理由というものが思いつかない。いや、理由として一つのことを思いついているのは間違いない。だが、そのことを真実だと彼女が受け入れることができないだけ。
なにしろ、それは『あの時の相手が惟だったのではないか』ということだからだ。
しかし、それは違うと彼女は思いたい。たしかに友人である由紀子は彼が亜紀のことを本気で思っていると告げた。だが、それを彼女が信じることができない。だとしたら、そんな相手のことを『忘れずに待っている』と約束したのだと思いたくない。
そして、今までとは違っていた夢の内容。だが、そのことが実際にあったのだということを彼女は否定しようとはしない。
夢の中で呼ばれていた『あーちゃん』という声。昨日、アンジーが彼女のことをそう呼んだ時、激しく反発したのは、きっとこのことを体の奥が覚えていたからだ。
約束したことを忘れていたのも同じだが、それでもあの時の相手以外に『あーちゃん』とは呼ばれたくない。そんなことを無意識のうちに思っていたのだろう。だからこその反発。だとしたら、と亜紀はふと思い出すことがある。
昨日、惟に送られた車の中で彼が口にした言葉。その中で『あーちゃん』という響きを耳にしたのではなかったか。たしかに、あの時の彼は『なんでもないよ』と言っていた。だが、かすかに届いた響きは間違いなく彼女を呼ぶ声だったはず。
だとしたら、なぜそれには反発しなかったのだろう。そんな思いが彼女の中で大きくなっていく。しかし、考えれば考えるほど理由というものが思いつかない。いや、理由として一つのことを思いついているのは間違いない。だが、そのことを真実だと彼女が受け入れることができないだけ。
なにしろ、それは『あの時の相手が惟だったのではないか』ということだからだ。
しかし、それは違うと彼女は思いたい。たしかに友人である由紀子は彼が亜紀のことを本気で思っていると告げた。だが、それを彼女が信じることができない。だとしたら、そんな相手のことを『忘れずに待っている』と約束したのだと思いたくない。