たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「うん。その時が来たら飛んでいく。そして、二度とあーちゃんを一人にしない。そうだよね?」
惟のその言葉は亜紀には思いもかけないものだったのだろう。信じられないというような表情を浮かべ、彼女は「どうして……それ……」と呟くことしかできない。そんな彼女に、惟は極上の笑顔を浮かべて語りかける。
「あの時、僕は亜紀ちゃんのこと一目で好きになった。泣くのを我慢して壊れそうになった君を守りたいって思った。でも、あの時の僕はまだ高校生。いくら、君のことを好きになったって言っても誰も信用してくれないし、本気だと思ってくれない。だから、時間が欲しかった」
「惟さん……」
彼の言葉は簡単に信用することができない。それでも、その声に宿る響きは信頼に値する。そんなことを思う彼女の頬をそっと挟んだ惟は、彼女に語りかけるのを止めようとはしない。
「僕は君が16歳になる日を待っていた。その日がくれば、君と結婚することもできる。僕がファエロアを立ち上げたのも君のため。なにしろ、君はいずれ一條本家の養女になることが決まっていたんだから。その君を手に入れようと思ったら、並大抵のことじゃ敵わない。だから、僕は時間が欲しかった。そして、それだけのものを手に入れたよ。だから、あーちゃんを迎えに来た」
真剣な声で語られる言葉。それは、最初に会った時の『パートナーとしての契約』と言った彼と同じだとは思えない。だが、これは信じてもいい。そう思う彼女の耳に、甘い言葉が囁かれる。
「あーちゃん。ううん、亜紀。僕と結婚を前提としたお付き合いをしてください」
その声に亜紀が首を横に振るはずがない。思いが溢れて言葉にならない彼女は、ただ頷くことで気持ちを表すことしかできないようだった。
to be continued
惟のその言葉は亜紀には思いもかけないものだったのだろう。信じられないというような表情を浮かべ、彼女は「どうして……それ……」と呟くことしかできない。そんな彼女に、惟は極上の笑顔を浮かべて語りかける。
「あの時、僕は亜紀ちゃんのこと一目で好きになった。泣くのを我慢して壊れそうになった君を守りたいって思った。でも、あの時の僕はまだ高校生。いくら、君のことを好きになったって言っても誰も信用してくれないし、本気だと思ってくれない。だから、時間が欲しかった」
「惟さん……」
彼の言葉は簡単に信用することができない。それでも、その声に宿る響きは信頼に値する。そんなことを思う彼女の頬をそっと挟んだ惟は、彼女に語りかけるのを止めようとはしない。
「僕は君が16歳になる日を待っていた。その日がくれば、君と結婚することもできる。僕がファエロアを立ち上げたのも君のため。なにしろ、君はいずれ一條本家の養女になることが決まっていたんだから。その君を手に入れようと思ったら、並大抵のことじゃ敵わない。だから、僕は時間が欲しかった。そして、それだけのものを手に入れたよ。だから、あーちゃんを迎えに来た」
真剣な声で語られる言葉。それは、最初に会った時の『パートナーとしての契約』と言った彼と同じだとは思えない。だが、これは信じてもいい。そう思う彼女の耳に、甘い言葉が囁かれる。
「あーちゃん。ううん、亜紀。僕と結婚を前提としたお付き合いをしてください」
その声に亜紀が首を横に振るはずがない。思いが溢れて言葉にならない彼女は、ただ頷くことで気持ちを表すことしかできないようだった。
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