たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「そんなに可愛いこと言わないの。そんなこと言ったら、離せなくなっちゃう。それはそうと、由紀子ちゃんとはどこで会う約束してるの? ひょっとして、またファミレスとか言うんじゃないんだろうね」


「それはないわ。約束してるのは、前に連れて行ってもらったラ・メール。竹原さんに相談したら、私が一緒なら由紀子も大丈夫だからって。だから、迎えに行ってもらってるの」


「そうなんだ。じゃあ、話が終わったら連絡して。家まで送ってあげるから。さ、ラ・メールまでは近いし、久しぶりに歩こうか」



そう言うと、惟は亜紀の持っていたカバンをさっさと取り上げている。そして、彼女の腰を抱き寄せて歩きはじめていた。しかし、今の時間は下校時間。ましてや、惟という相手が周囲の視線を一身に集めるようなイケメン。

そんな相手に抱き寄せられている。このことで向けられる周囲の視線が痛い。そう思う亜紀が抵抗したところで解放されるはずがない。結局、彼女はこれ以上はないというほど顔を赤くしながら歩くことしかできなかった。



「惟さん、やっぱり恥ずかしいです……」



それでも、これだけは言っておかなければいけない。そう思う亜紀は必死になって言葉を口にしている。しかし、言われた本人がそのことを気にしていないのは明白。それどころか、ますます彼女を近くに引き寄せてくる。



「どこが恥ずかしいの? 僕たち、恋人同士でしょう? だったら、そのことを周りに教えておかないと。なんていっても亜紀は可愛らしいんだよ。君を狙っている相手は多いからね」

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