初恋は空の色で
青く澄んだ空
これは…私が中学で経験した…まだ幼い…淡い淡い恋物語。
「それじゃぁ、行ってくるねっ!」
私は玄関で靴をトントンと叩いて、家を出た。
空は雲ひとつない、澄んだ快晴だった…。
「ちょっと!華恋!カバンを忘れて何しに行くのよ〜」
と慌ててお母さんが、鞄を持って走ってきてくれた。
自分でも強ばり過ぎなのかもしれない…だって今日は私が苦手な体育がある日だ。
それに今日は…持久走。
いま足を痛めている私には、少し痛い内容だった。
「あはは、ごめんごめん!ありがとぉ〜」
「ごめんごめんじゃないでしょ?全く…あなたはいつもいつも…」
また小言が始まるのか…と思い腕時計に目をやると…。
7時を少し過ぎた所だった。
「ごめんっ!!すっごいありがとう!でも学校に遅刻しちゃうよ!」
「はぁ…日本語ぐちゃぐちゃじゃないの…それでよく国語のテスト受けられるわね…それに華恋は朝早くに出過ぎなんじゃないの?
8時半までに学校に着いていればいいのよ?」
と呆れながら私に語りかけてくるお母さん…そんなに呆れた顔しなくても…。
なんて内心落ち込みつつ。
「だって、朝勉強した方が、はかどるんだもぉ〜ん♪」
なんて、カワイ子ぶって言ってみたら…。
お母さんは盛大な溜め息をついてしまった。
そろそろやばいと思い。
慌ててお母さんに。
「ごめんっ!!そろそろ行くね!!行ってきますっ!」
「はぁ…またそんなに慌てて、転ばないでよ?
行ってらっしゃい。」
とまた呆れられつつも…笑顔で送り出してくれるお母さん。
私はそんなお母さんが大好きだ。
怒ると怖いなんてものじゃないけれど、女手一つで私を育ててくれている、優しいお母さん。
「流石に急がないと…」
時計を見ると、あれからもう15分もたっている。
今日はなんだか謝ってばかりだなぁ…なんて考えながら私は小走りで学校に向かうのであった。
< 1 / 35 >