初恋は空の色で
友達
ぼーっと空を見ながら歩いていたら、学校についてしまった。
憂鬱な気分はまだ晴れずに、クラスに入る。
勿論一番で教室に入る。
薄暗い教室の電気をつけ、自分の席に着く。
はぁ…持久走嫌だなぁ…何時間目だっけなぁ…。
確か…四時間目??
しょうがないか…勉強しよう。
試験も近いから、朝から教室に居るのは私だけじゃないと思っていたが、みんな来ていなかったみたいだった。
一人の教室はどこか寂しげだけれど、何故か落ち着く。
英語の単語をノートに書き写していると…。
ガラガラ
「おはよぉ〜かれぇ〜ん♪」
「おはよう!!優ちゃん♡
今日は遅刻しないね、偉いじゃんっ!」
「もぉ〜!!そういつもいつも遅刻しているわけじゃないもん!」
「明日は嵐かなぁー?」
「ちょっ!それどーゆーこと!!」
「あはははww」
「笑い事じゃないもん!」
なんて言い捨てながら、プンスカ怒りながら私の前に座る。
この子は枢木 優香(くるるぎ ゆうか)
優は見た目はちっちゃくて華奢で可愛い、甘えんぼで先輩からも人気がある…それは、優がとても目立つからだ。
優は腰まである黒くまっすぐ伸びた髪の毛がチャームポイント。
先輩たちにも、モテるというのに、その人見知りな性格をどうにかした方がいいと思う。
すると、さっきまでプンスカしていたはずの、優が。
「今日の体育持久走だぁ〜」
と呟きながらうなだれてる。
起動愛楽がコロコロ変わって可愛らしい。
すると、はっと思いついたように。
「ねぇ、華恋!そういえば足平気なの?」
と心配してくれているようだ。
本当に優しいこだと思いながら、眺めていると。
「ねぇってばっ!!かれーん!!」
と私の目の前で手をブンブン降っている。
はっとして、
「ご、ごめんっ!!大丈夫だよ、晴れも引いているみたいだしね…。」
と答えると、安心したようだ。
「だって、華恋おっちょこちょいすぎるでしょ!
マットの上で走るからいけないんだよ〜だ。」
「あれは優ちゃんがどんじゃんけんぽいやろうとかいってきたから、し、か、た、な、くやってあげたんでしょぉ!?」
「えー?違うよ〜華恋がやろうっていったから、優が乗ってあげたんだもん!」
そうこう、言い合っているうちに…。
ガラガラ…チラ
「あ、美咲!おっはよぉ〜♪」
「みさみさ、おはよぉ〜!」
「…うん、おはよ。
朝から何を騒いでいるのかと思ったら。
二人とも元気だね。」
と言いながら、私の隣に座る美咲。
この子は星蘭 美咲(せいらん みさき)
美咲はセミロングの綺麗な黒髪がチャームポイント♪
結構ドライな性格で、さめている、暗い。
なんて、印象を持たれがちだが。
誰よりも私のことを気にかけてくれる、いい友達だ。
「優ちゃん、今日早いんだね♪
明日嵐にでもらならなければいいけれど…。」
「…プッ みさみさ、それうちも思ったァ〜!」
「あ、華恋ちゃんも?」
「も〜!!二人して優のこといじめるんだから!!
いいもん!!祐実が来たらちくっちゃうんだからねっ!」
美咲と私で顔を見合わせて、大爆笑していると。
噂をすれば、祐実が来た。
ガラガラガラガラ!!
音からして直ぐに祐実だとわかる。
「みんなそろってなにやってんの!おっはよ〜!!!」
「あ…噂をすれば、祐実ちゃんだ。」
「げ…祐実だぁ〜」
「げとはなによ、華恋っ!」
「うへ〜い」
すると、タイミングを見計らっていたのか、優が。
「わぁあぁあ〜ん。祐実ぃ〜美咲と華恋がいじめるよぉ〜!!」
この狸っ!
なんて思っていると。
「え??優大丈夫!?」
なんてまんまと騙されてる祐実…本当に人がいい。
優にぎゅうぎゅうひっぱられているこの子は如月 祐実 (きさらぎ ゆみ)
祐実は前まではふわふわな天然パーマが、とても特徴的だったけど、その天然パーマを矯正をかけてストレートにしてからは、まるで別人。
しゅっと綺麗な顔の作りに、クリクリお目目、可愛らしいメガネに、とても明るい性格だし、ひとがいい。
そんな祐実は今まさに、恋愛中。
誰にかというと、同じクラスの山本君だ。
山本君はクラスのムードメーカ的存在で、クラスをいつも盛り上げてくれる。
優しくて、面白くて、サッカーがとてもうまい。
そんな彼を狙う女の子たちは大勢いる、そんな中祐実もその一人だったのだ。
祐実が優をなだめながら、優の席の隣につく。
「…そ、そういえば!祐実ちゃん山本君とは、どうなの?」
ナイス美咲!!
優は悔しそうにしているが、気になるみたいで黙っている。
祐実は顔をぼっと赤く染めて、
「んー。特に進展なし…かな?」
なんて言ってるが、顔にはしっかりと話せたよと書いてある…本当に分かり易い。
三人でニヤニヤしながら見つめていると、耐えられなくなったのか。
「ゆ、祐実、ちょっと手を洗ってきまふ!」
なんて、動揺しながらかけていこうとしたその時…ーーー
ガラガラ…
「…っと、何だ祐実。
お前あさからげんきいいなぁ〜」
っと後何ミリかでぶつかりそうな距離にいる山本君。
なんていいタイミング…。
祐実は口をパクパクさせながら、顔が熱をおびているように真っ赤。
もう限界と言わんばかりに走っていってしまった。
山本君も何がなんだかという、あっけに取られたような間抜けな表情をしている。
そんな祐実の姿を見て、わたし達はもう大爆笑。
クラスメイトがだんだん集まっているのにも気づかず、笑っていた。