初恋は空の色で
出逢い
流石に2000mを一気に走るのはきつかったなぁ…。
なんて思いながらも、先生の話を上の空で聞いている。
「ん〜じゃぁ、AとBに別れろ〜」
えっと…私は遅いほうだから…Bか。
「あ、みんなBじゃん!」
「よかったぁ〜」
「流石家庭科部だね。」
「あ、本当ww」
みんなBだったらしく、ほっとした。
「みんな移動し終わったか〜?
それじゃぁ、AとBでペアを組め〜そっから、また練習開始するぞ〜。」
「はぁ?何言ってんの?
あいつ、男子となるとかマジ無理。」
「まぁまぁ、優ちゃん。
学校一のイケメンくん取られる前に、早く行きなよ。」
「あ!やばっ!
じゃっ!みんなお先に〜♪」
「「………なんていうか…あれだね…ww」」
「あ、祐実ちゃんは山本君かな?」
「チョッ!美咲ちゃん////」
はぁ…祐実分かりやすすぎ。
押して上げなきゃね。
「祐実っ!行ってこいっ!」
「も〜華恋まで〜」
「っ!祐実ぶつかるっ!!」
「ふぇ?」
ドンッ!
…………
「ったぁ〜!!ご、ごめんなさい!
うち、よそ見しててって…。
あれ?」
「「山本君っ!」」
「や、やまもとくん…」
ナイスタイミング!山本君!
「ってぇ…わりぃ、俺こそ女子に追いかけられてて…。
って、祐実?
はははっ今日はなんだか、よくぶつかるなぁ〜」
「っ…///」
「?どした。
痛かったか?」
「ななな、なんでも…ない…です。」
あ〜ぁ、噛みっ噛み。
「ん〜そだ!祐実!
今日はよくぶつかるからなぁ〜運命だ!
ペアになってくれねーか?
償いとして、俺が走るコツ教えてやるよ!」
「ふぇ!?
えっと…あの…い、いいの?」
「おうっ!!」
「/////」
あ〜ぁ、山本君…鈍感なのが痛いよ。
美咲も苦笑いだし。
「じゃぁ、二人とも…ばいばいっ!」
「「頑張れよっ!」」
二つの意味でね…。
「さぁ〜てとっ!
美咲もペア探してくるから、華恋ちゃんも早くペア見つけてね♪」
「あ、う、うん…ばいばいっ!」
はぁ…出遅れたな…誰かいないかな…。
「ねぇ。」
「ねぇ…ってば。」
「聞こえてるの?」
うるっさいなぁ!
「何?」
…っ!
こ、こんな、イケメンくんこの学校にいたかな?
まぁ、関係ないか。
「………あの、何ですか?」
「あ、一人?」
はぁ?見ればわかるでしょ〜が。
「一人だよ。」
「じゃぁ、僕とペアになってくれないかな?」
「…へ?」
「だ、だから。
僕とペアに…」
ちょっと待ってくださいよ。
私に言ってるんですか?
何か接点あったっけなぁ…あ〜女子の目線が痛い。
なんでかなぁ〜。
それになんで…私?
「…あ、はい。
宜しくお願いします。」
「わぁーいいの?
ありがとー!よろしくね!」
「よろしく。」
「僕、転校してきた空輝!
空輝って呼んでね♪
君は?」
あ…この人が噂の転校生…。
なるほど、このルックスじゃぁ…噂になるわ。
「…はぁ。2のA 甘夏 華恋です。」
「じゃぁ…」
「…?」
「…華恋」
…ドキッ
え、何コレ。
心臓が急にドキドキして…息苦しい。
私…どうしたの?
「っ////」
「…顔赤いよ?
どうしたの?保健室行く?」
「平気…よろしくね。」
「うん♪」
この感情をまだ私は知らない…。
これが、私と空輝との出逢いでした。