初恋は空の色で
やっぱり

空輝がいたのだ。

驚いて固まっていると…空輝は不思議な顔をしてコテりと首をかしげている。

周りの目線が痛い…。

私に何の用なのか。

「何…?」

「………。」

「空輝…?」

「あ、うん…何?(ニッコリ」

は…?

何って…何?

私に用があって呼び止めたんじゃないの!?

「あの…用事は何?」

「ん…?」

本当に忘れているようだった…。

「んぁ!そーだった!ほいっ!」

ずぃっとさしだされてきたそれは…彼のスマホ。

ほいって言われても…。

私が反応に困っていると…。

「あっ…へへっ(ニカッ」

急に照れやがった…。

そんな顔で見られたら周りの女子はみんなおちてしまうだろう…。

私を例外として。

「…?」

私が首を傾げるとさらに、真っ赤になり。

「いや…あの…ほいっ!」

「え?」

さっきとなんにも変わりないじゃないっ!

と思いながらも。

「スマホが…どうかしたの?」

と聞いてみると。

「いや…あの…さぁ…////」

んん?この人こんなに口下手だったかな?

私と話したときはすごくストレートで人懐っこい感じ…だったのに。

「何…?」

「メ…アド…交換してくれない…かな?(ニコッ」

っ…!!!

何その女子みたいな言い方っ!

私が男子みたい…。

どうしよっかな…まぁ一応ペアだし…交換しておいた方がいいものなのかな?

と考えていると…彼は落ち着かなそうにしている。

完全に放置状態だ…やばい。

「ぁ…うん。
別にいいけれど?」

「えっ…!本当?(パァ〜」

なんでそんなに喜ぶのかなぁ〜

「うん。はい。」

「ありがとう!」

本当に周りの目線が痛い…なんでなの?

私なんかしたかなぁ〜

なんてのんきに考えていると、その一部始終を見た女子たちが…。

「きゃぁぁぁぁあぁあ!!
空輝くぅ〜ん!私ともメアド交換して…欲しい…なぁ〜?」

と猫撫で声で次々に女子が押し寄せてくる…。

そんな中に入れるはずもなく、すぐに出てきた。

もう既に空輝は囲まれていて…見えない。

ズキッ…。

………?

何だろう…胸が痛い…ズキズキして苦しい…。

この頃私…おかしいな。

教室に戻ろう…。

そして私はその場を後にするのだった。

私の後ろ姿を一人の男の子が切なそうに見つめているのなんて…知るはずもなく………ーーーー。
< 9 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop