最後の夏休み Last Summer Days.
「もしかしてまたマアサと別れたって聞いた? それでもオレはオマエと付き合う気なんてないよ」



入るスキもないくらい一気に話すタカヒロ。



「わかってる。アタシもタカヒロと付き合いたいなんて、もう思ってないよ」



アタシは彼の何が好きだったんだろう。



「だったら何で?」



「タカヒロだったら、好きなヒトと一緒にいたら二人ともダメになるからって、別れられる?」



「はァ? 何言ってんの?」



「アタシにはできないよ。好きなら一緒にいたいし、離れたくない。



だから、タカヒロには重かったんだよね」



彼は黙って聞いていた。



「それだけ、謝りたかったの。ごめんね。最後の試合、がんばってね」



アタシは彼がどんな顔をしているか見れずに振り返って歩き出す。


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