最後の夏休み Last Summer Days.
それから朝が来て、



お気に入りの木の下で、固くなっているソラが眠っていた。



アタシはただ、その前で泣くだけだった。



小説家とサエコさんがスコップと大きなヒマワリを持ってきた。



「カニクリ。埋めてあげよう」



うなずくだけで精一杯だった。



小説家が木の根元に開けた穴に、群がる虫達を払って、



そっとソラを寝かせる。



「ソラは、幸せだったのかな?」



さらさらとした乾いた土をかけながらつぶやく。



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