最後の夏休み Last Summer Days.
「―――アタシにも、書けるかな?」



「書けるよ。書いてみる?」



「うん。教えてくれる?」



「君がそうしたいなら、いいよ」



そうやって始まったんだ。



「その代わりに、少し手伝ってほしいんだ」



今まで何もしなかった時間を取り戻すように一日中、



アタシは小説家に小説の書き方を教わった。



「何を手伝えばいいの?」



小説家は教えるのが意外と上手かった。



「仕事の手伝い。難しいことはないから」



アタシが思うこと、伝えたいことをいくつか書き出して、



それを元にあらすじを作って、



少しずつ物語にしていく。



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