最後の夏休み Last Summer Days.
マユカはシブヤが似合う。



でも、アタシには少しうるさく思えた。



今は、小説家の部屋が一番落ち着く。



「早く見付かるといいね」



だけど、一人はさみしいよ。



「そうだね。………早く会いたいよ」



各駅停車の電車がホームに入ってくる。



その騒音に混じってアタシのケータイが鳴った。



アタシは画面を見て、少し迷った。



「出ないの? 誰から?」



「今話してた出版社のヒトから」



「マジで!? だったら見付かったんだよ! 早く出なよ!」



「取材の話かもしれないよ」



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