最後の夏休み Last Summer Days.
正直、戸惑った。



見付かりませんでした、と言われたら―――



「ほら! 早く!」



そう考えてしまう。



「………もしもし?」



「もしもし、黒崎書店の八高です。お世話になっております」



マユカに急かされて電話に出る。



慣れない挨拶がアタシの緊張をあおった。



「あ……はい。お世話になってます」



「先日お話しいただいた椎名カズヤさんの件ですが、今よろしかったですか?」



アタシはマユカと目を合わせてうなずく。



「はい。大丈夫です」


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