最後の夏休み Last Summer Days.
「どうだった?」



「小説家は見付からなかったって。



でも、今の小説家を知っていそうなヒトがいたって」



「それが、ナリタヒカリ?」



「うん。T女学院の生徒だって」



「小説家のカノジョ?」



「どうかな? まだカノジョって決まったわけじゃないし」



「カニクリ。会いに行くんだよね?」



「………うん。でも、まだ夏休みだからいないかもよ」



「そんなんじゃダメだよ。明日行こう。



マユカも行くから。



最後まで付き合うよ」



その言葉だけで、嬉しかった。



もう何度、マユカと友達になってよかったと思っただろう。



「ありがとう。マユカ」




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