最後の夏休み Last Summer Days.
それが何人目かも忘れてしまった頃。



「知ってるよ。中等部のナリタヒカリでしょ? 同クラだし」



「今どこにいるかわかる!?」



マユカが興奮気味に言った。



「聞いてあげようか?」



彼女はそう言ってケータイを出した。



「あ、ヒカリ? 今どこ? ヒカリに会いたいってヒト達が学校に来てるんだけど」



わかった、と言って彼女はケータイをアタシに差し出す。



「ヒカリが代わってって」



アタシは緊張しながらケータイを受け取って耳に当てる。


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