最後の夏休み Last Summer Days.
意識が離れてしまいそうになるのを我慢してヒカリを見る。



右手にはバタフライナイフを握っていた。



「―――殺しちゃうよ?」



彼女は笑っていた。



新しいオモチャをもらったコドモのような無邪気な笑顔。



「マジだから。もう探さないで」



アタシは強い光を放つ瞳に負けないように、にらみ返す。



でも、ホントは叫びたかった。



たすけて。



たすけてよ! 小説家!



そう思っていた。



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