最後の夏休み Last Summer Days.
「―――ヒカリ?」



ナイフを首に押し当てられたまま、どれくらいの時間が経ったのかわからなかっただろう。



アタシの後ろから声が聞こえた。



「―――カズヤ………」



反射的にバタフライナイフを隠すヒカリ。



アタシは彼女の視線の先を見るために、



カズヤと呼ばれたヒトを見るために、



震えを我慢して振り返った。



「………小説家?」



そこに立っていたのは、彼だった。



でも、あの頃の小説家とはどこか違う。


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