最後の夏休み Last Summer Days.
茶色のメッシュが入った長めの髪、



アメカジのユーズドっぽいTシャツとジーンズを着たお兄系で、



ヒカリと同じシブヤにいそうな感じだった。



「カズヤ! ダメ!」



叫びながら彼の腕にしがみ付くヒカリ。



「何がダメなんだよ?」



彼は笑ってアタシを見た。



「ヒカリの友達?」



「………違います」



そう言うと、彼から笑顔が消える。



「じゃァ、アンタ、誰?」



アタシは彼の強く鋭い視線から目をそらさない。



「アタシは、―――カニクリ」



アタシが言うと、驚いたような顔で、



「………カニ……クリ………」



と小さく言った。




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