最後の夏休み Last Summer Days.
第10話 月に浮かぶゼリーの魚
第10話 月に浮かぶゼリーの魚





真っ暗な小説家の部屋で、白いワンピースに着替えたアタシは床に寝転がっていた。



開けたままの窓から入り込んでくる月明かりと蒸し暑い夜風が、



アタシの頭の中をさらに複雑にさせる。



彼は小説家だったんだろうか。



あの表情とあのセリフは、小説家だったから?



それとも、似ているだけの別人だったから?



ヒカリは何かを隠しているようにしか見えなかった。



何を隠しているんだろう。



聞きたいけど一人で行くのは危険だ。



マユカに言えばついてきてくれる。



でもマユカまで危ない目にあわせられない。



やっぱりヒカリと話すなら一人で行かないと。

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