最後の夏休み Last Summer Days.
だったら、アタシは?



彼がもし小説家だったら、何て言葉をかけるだろう。



どうするんだろう。



「ねぇ、小説家―――」



続きの言葉を遮るように部屋のベルが鳴る。



サエコさんだろうか?



この1ヶ月、アタシがいると時々ご飯を作ってくれたり食事に誘ってくれたりした。



さみしさに沈むアタシの気持ちを少しでも軽くしようとしてくれていた。



もう1ヶ月経っちゃうよ。



夏休みが終わっちゃうよ。



アタシのさみしさを埋められるのは、アナタだけだよ。



「小説家―――」



アタシは誰かも確認しないで部屋のドアを開けた。


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