最後の夏休み Last Summer Days.
2年前のあの日、アタシは制服のまま学校に行かずいつもと違う電車に乗った。
ただ、海が見たいと思った。
電車を乗り継いでたどり着いた駅のホームからは、一面の空と海。
でも海はアタシの心みたいにグレーに濁って、黒く静かな波が白く泡を作っていた。
まだ明けない梅雨の曇り空のせいで誰もいない。
時々車が走る道路を横切ってアタシは砂浜を歩いた。
頭の中であふれるたくさんの記憶と感情でぐちゃぐちゃになっていて、今すぐに消えてしまいたかった。
知らないうちに雨の降り出した砂浜にカバンを投げ捨てて、ゆっくりと海に向かって歩き出す。
ローファーが海水に浸っても歩き続けるとスカートが海面に広がる。
魂が強く引かれて、ただ海に帰りたいと思った。
ただ、海が見たいと思った。
電車を乗り継いでたどり着いた駅のホームからは、一面の空と海。
でも海はアタシの心みたいにグレーに濁って、黒く静かな波が白く泡を作っていた。
まだ明けない梅雨の曇り空のせいで誰もいない。
時々車が走る道路を横切ってアタシは砂浜を歩いた。
頭の中であふれるたくさんの記憶と感情でぐちゃぐちゃになっていて、今すぐに消えてしまいたかった。
知らないうちに雨の降り出した砂浜にカバンを投げ捨てて、ゆっくりと海に向かって歩き出す。
ローファーが海水に浸っても歩き続けるとスカートが海面に広がる。
魂が強く引かれて、ただ海に帰りたいと思った。