最後の夏休み Last Summer Days.
「―――嘘。



アタシは小説家からモノをもらったことなんてない。


やっぱりアナタは、ニセモノだよ」



彼はまた黙って、アタシを見ている。



「アナタじゃ小説家になれないよ。



彼の優しさは悲しみがあるから生まれてた。



特別だった。



アナタにはないモノを持ってた」



「………オマエにオレの何がわかんだよ」



ゆっくりと近付きながらやっと口を開いた。



「わかるわけないじゃん。


だったら教えなよ。



ホントのこと。



アナタ、誰? 小説家はどこにいるの?」



アタシは後ずさりながら、負けてしまわないように、にらみ返した。


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