最後の夏休み Last Summer Days.
「アイツは―――死んだよ」



何を言っているのか、わからなかった。



「自殺したんだ。



ビルの屋上から飛び降りて、空に還ったんだ」



遠い、遠い世界の出来事みたいに思えた。



「………嘘………」



「アイツはオレの過去と一緒に、自分の存在を消し去った」



「―――またアタシを騙そうとしてるんでしょ?」



それが嘘でもホントでも、受け入れられないアタシの頭が言葉を次々に吐き出す。



「信じない。



アナタのことなんて信じない。



小説家は待ってくれてるんだよ。



………だって、約束したんだから」



アタシは全てを閉ざすように両手で耳をふさぐ。


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