最後の夏休み Last Summer Days.
「聞けよ」



「聞かない!」



彼はアタシの両手をつかんだ。



「アイツはもういないんだ! 死んだんだよ! 



だから代わりにオレが来たんだよ!」



「代わりなんていらない! 



アタシは小説家じゃなきゃイヤなの!」



強く握られていた手を振りほどいて、アタシは裸足で走り出した。



小説家の部屋を飛び出して、石の階段をかけ降りた。


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