最後の夏休み Last Summer Days.
いつの間にか離れていった空なのかもわからない黒い海面は、



ゆらゆら揺れている月の光でアタシを照らす。



吐き出した息が泡になって、



キラキラとクラゲにみたいに海面の空へと上がっていく。



静かすぎる真夜中の海の世界から、



ゆっくりとアタシの意識は薄れていく。



死んだら、天国でアナタに会えるかな?



自殺したら、天国には行けないか。



だったら、地獄でもいいよ。



アナタに会えるなら。



まだ伝えたいこと、いっぱいあるんだから。



アタシを置いてきぼりにしてしまうなんて許せない。



会ったら文句言ってやるんだ。



だから、―――アナタに会いたい。




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