最後の夏休み Last Summer Days.
アタシは夢を見た。



温かい光に包まれて、アタシを呼ぶ声がする。



懐かしい、声。



「カニクリ、奇跡を信じる?」



信じないよ。



アタシには起きないから。



「そんなことないよ。



生きてることこそが奇跡なんだ。



今こうして、君と話せることも奇跡。



ヒトの周りには奇跡があふれてる。



でも誰もそれに気付かない。



当たり前に生きて、いつか当たり前に死んでいく。



だけど生きることは死ぬよりも辛い。



苦しいこともいっぱいあるよ。



だからヒトはたすけ合うんだ。



時には憎むこともあるけど、わかり合えるよ。



だって僕らは生きているから」


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