最後の夏休み Last Summer Days.
彼が小説家じゃないこと。



「ねぇ、小説家」



でも時々、アナタと同じ悲しい目をするのは、



きっとアナタの魂が宿っているからなんだね。



―――なんて、奇跡と同じくらい信じてないけど。



だからね、アタシは彼を愛せない。



好きになれない。



だってアナタじゃないから。



代わりはいらない。



アナタじゃなきゃイヤだから。



「アナタは、アタシを好きだった? 



愛してた? 



―――アタシは今も、アナタが好きだよ。



愛してる。



やっと言えるよ。



今更って感じだよね? 



アナタと同じだね」



彼に引き揚げられながら、アタシは長い長い夢からさめた。

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