最後の夏休み Last Summer Days.
「………でも、小説家に会えたよ。言いたいこと、全部言えた」



「そんなの夢だろ?」



「―――全部、全部夢だったんだよ」



アタシは立ち上がる。



まだ力は入らないけど、しっかりと立った。



「ありがとね。カズヤ」



「もう呼び捨てかよ」



彼は笑った。



「いいじゃん。もうサヨナラだから」



アタシは彼に手を差し出した。



今度はアタシが彼を引っ張り起こす。



「アナタは、小説家じゃない。だからもう会わない」



重く感じる。



これが、命の重さなのかもしれない。



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