最後の夏休み Last Summer Days.
「勝手だね。ちゃんと言ってくれれば、こんなカタチにはならなかったのに」



「オレもそう思う。アイツがホントは何考えていたかわからない」



小説家の心なんて、誰にもわからない。



もう、ここにはいない。



ここを探しても、何もない。



「アタシ、帰るね」



「ああ。じゃァな」



「あ、そうだ。もう一つ教えてよ」



アタシの言葉を聞こうとしている彼は、



「アナタのホントの名前」



微笑んでいた。



「ニーオ」



「………何それ。猫みたい」



それにつられてアタシも、笑った。




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