最後の夏休み Last Summer Days.
「バイバイ」



振り返ったアタシの背中に聞こえる、



「じゃァな」



その声は、やっぱり似ていた。



―――でも、もう迷わないよ。



アタシ、決めたから。



涼しい夜風がまだ濡れているアタシの髪を揺らす。



悲しみの海に沈んでいるアタシはもういない。



きっと小説家が一緒に連れていってくれたんだよね。



あの頃のアタシを。





ねぇ、小説家。



アタシは誰かのようになりたいなんて言わないよ。



アタシはアタシらしく、生きていくよ。



その目標を、ちゃんと見付けたから。



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