最後の夏休み Last Summer Days.
小説家の部屋に帰ったアタシは、まだ整理されていない写真を床に散らかしていた。



一つずつアタシ達の思い出をアルバムにしまっていく。



その中にあった、一枚の写真。



アタシと小説家が、手をつないで床で眠っていた。



撮ったのはサエコさんだろうか。



そうじゃなくても、恥ずかしかった。



だって―――



「………ケータイ」



思い出して少し照れていたアタシはケータイが震えていたのに気付いた。



ミヤさんだった。



彼女にも伝えなくてはいけない。



どうやって話そうか悩みながらアタシは電話に出た。


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