最後の夏休み Last Summer Days.
「ここではない自分の居場所を見付けられるまでは、ダメだよ」



「そんなのいつになるかわからないじゃん」



アタシは自分でたたむと言ったパンツを小説家に投げ付けた。



「すぐかもしれないし、ずっと先かもしれないし。カニクリ次第だよ」



小説家は顔に当たったパンツをたたんでバッグにしまった。



「だったら帰るのやめる。ずっと、ここにいる」



「カニクリは相変わらずワガママだなぁ」



と小説家は笑った。



「じゃあ、小説家になれたら………」



「それこそいつになるかわからないじゃん!」



今度はブラを投げた。



「だからってブラまで投げるなよ」



小説家は当たらずに飛んでいったブラを拾いに立った。



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