最後の夏休み Last Summer Days.
それから制服に着替えたアタシを、小説家はオモチャのカメラで写真に撮った。



「カニクリが成長した記念に」



「父親かよ」



と言ってアタシは、



「父親みたい」



と言い直した。



言葉づかいを直すのも、約束。



「じゃあ、小説家」



アタシはローファーを履いてドアの前に立つ。



「ここでサヨナラするから」



小説家は持ったままだったカメラを靴箱の上に置いた。


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