最後の夏休み Last Summer Days.
「わかった。それじゃあ、小説家になれたら会おうね?」



それがアタシの見付けた目標。



これからも、ずっと。



「2年だよ。2年後に、また来るから」



約束は、これからも守るよ。



だから―――



「アナタに会いに来るから」



アタシはそう言って、少し背の高い小説家に、キスをした。



言葉では伝えきれない思いが、伝えたくて。



小説家の心の声を聞きたくて、何度も何度もキスをした。



「カニクリ……ダメだよ―――」



そんな言葉を聞きたくなくて、



「ヤだ」



ただ一つの言葉が聞きたくて、



「して? 小説家」



アタシがずっと求めていた言葉が聞きたくて、



「アタシが成長した記念に」



アタシは小説家とセックスをした。



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