最後の夏休み Last Summer Days.
「どうって……死ぬ気だったんじゃないの?」



長袖のシャツがアタシの肌に張り付いて気持ち悪かった。



「忘れたぁ!」



忘れたかった。



砂浜に上がって大きく伸びをしてカバンを拾う。



「腹減らない?」



後ろを歩いてきた男にアタシは振り返って言った。



「アタシ、朝から何も食べてないんだけど」



なぜか安心して、急に現実に引き戻された気がしていたんだ。



「だったらファミレス行く?」



そんな空気を彼から感じたんだ。



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