最後の夏休み Last Summer Days.
アタシがずっとずっと聞きたかった、小説家からの言葉。



「ねぇ、小説家―――」



古びた校舎を出ると学生達がアタシの前を通りすぎていく。



「ねェ。君、1年だよね?」



その中の一人がアタシに声をかける。



「そうですけど?」



ねぇ、小説家。



「今日、うちのサークルの新歓コンパやるんだけど、君も来ない?」



アタシはずっと、



「………え? せっかくですけど、遠慮します」



アナタに言ってほしかった。



「マジでェ!? 残念だなァ。じゃァ、名前だけでも教えてよ」



ずっとずっと言ってほしかった。



「―――名前?」



ただ、愛している、と。



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