最後の夏休み Last Summer Days.
「ふぅーん」



それがやっぱりムカついて、アタシは彼からタバコを奪って吸った。



初めてのタバコはノドを刺激してアタシはむせた。



少し、涙が出た。



「まだコドモなんだからダメだよ」



笑いながら小説家はタバコを取り返してまた吸った。



「コドモじゃないもん」



そう言ってアタシは小説家に背中を向けた。



「………早くオトナになりたい」



「オトナになったって何にも変わらないよ」



と彼はまた笑った。



背中越しで見えないけど、きっと悲しい笑顔で。



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