最後の夏休み Last Summer Days.
「そうじゃないけどさ」



わかってくれないの?



「制服はまた取りに来ればいいから、今日は帰りなよ」



ねぇ、小説家。



アナタならすぐにこの時のアタシを理解してくれると思ってた。



理由なんてないけど、アナタの周りに流れる空気がそう思わせてたんだ。



「絶対にイヤ!」



だからあんなワガママが言えたんだよ。



ねぇ、小説家―――



「好きにしなよ」



あきれた言い方で小説家が言ったからアタシは振り返った。



もっと言い合いたかったのに。



と、不満だった。



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