最後の夏休み Last Summer Days.
「小説家って机に向かって原稿用紙に書いてると思ってた」



「いつの時代だよ。今はそんな人ほとんどいないよ。パソコンもあるのに」



この部屋にはパソコンがあるのに使わないのも不思議だった。



「ケータイだったらいつでもどこでもできるからね」



「へぇー」



そう言って小説家をじっと見る。



「何だよ」



「ホントに小説家だったんだ」



「自称、ですけどね」



その顔がおもしろくてアタシが笑うと小説家も笑った。
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