最後の夏休み Last Summer Days.
窓から朝日と蒸し暑い空気がカーテンを抜けて部屋に入り込む。



暑くて目が覚めたアタシがベッドから足を下ろすと、真下に小説家がいた。



アタシに踏まれながら幸せそうな寝顔で何か言っている。



それを聞いてやろうと耳を近付ける。



「………ミヤ……もう少し寝かせてよ………」



その言葉は寝起きのアタシのイライラを倍にした。



「朝だよ! 小説家!」



だから思いきり踏んでやった。



変な悲鳴をあげて小説家は起きた。



「あ………カニクリおはよう………」



まだ寝ボケて目が開ききらない小説家。



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