最後の夏休み Last Summer Days.
そうしてアタシは小説家の部屋に戻っていった。



「今度は、家出?」



白猫のキャリーバッグを見て驚いてはいたけど、



「住み込みのバイトって、ウソついてきた」



その笑顔は今も忘れてないよ。



「ウソついちゃダメじゃん。結局は、家出だよ」



あの時、小説家はアタシが帰ってくると思っていたんだろうか。



「どっちでもいいから! アタシをしばらくここにいさせて! お願い!」



それとも、面倒だと思っていたんだろうか。


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