最後の夏休み Last Summer Days.
「見てないよ」



「ウソつけ!」



アタシが軽く蹴ると予想外によろけた小説家がおもしろくて、アタシは笑った。



「痛いじゃんか!」



と笑いながら小説家は蹴り返すけどアタシは避けた。



「オジサーン!」



そうやってはしゃいでいると、



何かがアタシの顔に降ってくる。



「キャァ!」



あわてて振り払うと、シルバーグレーの猫がベランダに着地して、



「ニャァ」



と鳴いた。



それを見て大きな声で笑い出す小説家。



「笑うなァ!」



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