最後の夏休み Last Summer Days.
「ダメなの?」



「ダメって言っても飼うんでしょ?」



「うん」



雨が、激しく雨戸をたたき始めた。



「だったら名前くらい決めさせてよ」



風の声が部屋の中にまで聞こえる。



「………しょうがないなァ。何か考えてるの?」



「ニャァ」



小説家が猫を見つめて言った。



「―――ソラ」



「空? 何で?」



「鳴き声がソとラだから」



「ソとラ? ドレミの?」



「そう。だから、ソラ」


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