最後の夏休み Last Summer Days.
「ねぇ、小説家」



「ん?」



パソコンからプリントした原稿に目を落としたままだった。



「今もまだ、元カノのことが好きなの?」



そう言うと動きが止まった。



わかりやすいなァ。



「一緒に住んでたのに、何で別れたの?」



ソラがアタシの手からすべり抜けて小説家の足にすりよる。



「さあ? 何でだろうね?」



また答えないつもりだ。



「好きだったんじゃないの?」



長く息を吐いて小説家はアタシを見た。


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