最後の夏休み Last Summer Days.
アタシも、逃げてきたんだ。



学校から、家から、カレシから。



「ねぇ、小説家。―――アタシ、フラレたんだ」



タバコに火を点けて小説家は背中を向けていた。



「ホントに好きだった。一緒にいられるだけでよかったのに。



それが重かったのかな。



高校入ってからずっと気になっていた同クラの男子で、



アタシにしてはがんばってコクってOKもらって2ヶ月付き合ったんだ。



だけど浮気されちゃった。


アタシの親友だって思ってたコと。



同中で仲良くて、カレシの相談だっていっぱいしてた。



それなのに―――」



アタシはぎゅっと自分の手を握った。


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