最後の夏休み Last Summer Days.
「バカだよね。



死んで楽になんかならない。



全然知らないアタシにあんなに叫ぶなんて、フツーはしてくれない。



小説家の握る手が痛いって思うたびに、



アタシはまだ生きてるんだって、



まだ生きたいんだって、



実感できたんだ」



言い終えて何だか恥ずかしくなって、アタシは小説家の背中をたたいた。



「アタシが感謝するなんてそんなにないんだから喜びなさいよ!」



いつの間にか戻ってきたソラが鳴きながらアタシのヒザに乗る。



「はいはい。ありがとうございます」



そう言って小説家が笑うから、アタシも自然に笑えた。



涙がこぼれてしまわないようにするので、精一杯だったけど。


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